頭括と尾括 |
著者はわが国のロジカルシンキングの第一人者とのこと。
非常にくだけていて,ところどころ著者の深い理解を感じた。
私は多少ロジカルシンキングに慣れているから(本当?),流し読みとなったが,実質最終章の第6章「論理的なコミュニケーションを学ぼう」は参考になった。
メッセージを伝えるやり方には,結論を先に言って,理由をあとに言う「頭括」と,理由を積み上げていって最後に結論を言う「尾括」の2つの方法があって,初学者には頭括を推奨する,というところがよいメッセージ。
時間が短いプレゼンや論文は頭括がよく,時間的余裕がある(「白熱教室」のような)年間講義や著作では尾括があっている。
頭括では結論を述べるために議論の基本的構造を先に言っておく必要もあり,聴き手や読み手は話をつかみやすい,というのは重要な長所。
可能ならばすべて頭括でいくべきだろう。
(著者には,「論理思考と発想の技術」 (PHP文庫),「経営参謀の発想法」 (PHP文庫)という先著があるとのこと。取り寄せてみよう。)