2011年 01月 14日
釣鐘にとまりて眠る胡蝶かな |
鈴木大拙 『禅と日本文化』北川桃雄訳(1940岩波新書)を読んだ。
内容は,松岡正剛の千夜千冊『禅と日本文化』鈴木大拙(http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0887.html)
で大体分かる。
禅しろうとの私には,「第1章禅の予備知識」が参考になった。
とくに,10頁にある,禅の短い要約が印象的。
禅師のお名前は,今北洪川,無関普門,宗峰妙超,関山慧玄など深遠かつゴツゴツしていてよう読めん,というケースが多い。
禅とは「中世のロック」,「思想界のロック」だろうか。
古代ギリシャ「樽の哲学者」ディオゲネスに通じる音楽で,私は好きである。
本文は,日本美術,武士道,儒教,茶道,俳句に対する禅の影響を説明している。
原文は英文であちらの人々向けの本。
西洋哲学,心理学の概念装置を使って禅や日本思想を説明しているのはわかりやすさの点からも当然と言えば当然だが,「やはり野におけ蓮華草」という気持ちも否定できない。
「禅と俳句」の章で,蕪村の
釣鐘にとまりて眠る胡蝶かな
が紹介されている。
俳句にも暗い私は知らなかった。
非常な名句である。
大拙は
蝶は,(「分別」などとは関わりのない)絶対信仰と無畏の生(自由)を営んでいる,それを蕪村はとらえている,と解釈している。
この句を読む東洋人は荘子の「胡蝶の夢」を思い起こすだろう。
眠る胡蝶は夢を見ていそうだ。
宇宙全体の夢だろうか。
宇宙の中の胡蝶がやすらかに宇宙の夢を見ている。
見えているのも胡蝶の夢の中の一場面かもしれない。
本書は第78刷とのこと。
このようにクオリテイの高い書物が読み継がれるということは立派。
内容は,松岡正剛の千夜千冊『禅と日本文化』鈴木大拙(http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0887.html)
で大体分かる。
禅しろうとの私には,「第1章禅の予備知識」が参考になった。
とくに,10頁にある,禅の短い要約が印象的。
禅師のお名前は,今北洪川,無関普門,宗峰妙超,関山慧玄など深遠かつゴツゴツしていてよう読めん,というケースが多い。
禅とは「中世のロック」,「思想界のロック」だろうか。
古代ギリシャ「樽の哲学者」ディオゲネスに通じる音楽で,私は好きである。
本文は,日本美術,武士道,儒教,茶道,俳句に対する禅の影響を説明している。
原文は英文であちらの人々向けの本。
西洋哲学,心理学の概念装置を使って禅や日本思想を説明しているのはわかりやすさの点からも当然と言えば当然だが,「やはり野におけ蓮華草」という気持ちも否定できない。
「禅と俳句」の章で,蕪村の
釣鐘にとまりて眠る胡蝶かな
が紹介されている。
俳句にも暗い私は知らなかった。
非常な名句である。
大拙は
蝶は,(「分別」などとは関わりのない)絶対信仰と無畏の生(自由)を営んでいる,それを蕪村はとらえている,と解釈している。
この句を読む東洋人は荘子の「胡蝶の夢」を思い起こすだろう。
眠る胡蝶は夢を見ていそうだ。
宇宙全体の夢だろうか。
宇宙の中の胡蝶がやすらかに宇宙の夢を見ている。
見えているのも胡蝶の夢の中の一場面かもしれない。
本書は第78刷とのこと。
このようにクオリテイの高い書物が読み継がれるということは立派。
by omg05
| 2011-01-14 23:44
| religion
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