岩塚製菓と旺旺グループの友情物語 |
岩塚製菓の事を知ってる人はいるかな?
30年ほど前、経営危機に陥っていた台湾の宜蘭食品工業の董事長(社長)は、
起死回生のために岩塚製菓に技術供与を願い出た。岩塚側は当然拒否。
しかし宜蘭側は礼を尽くして粘り強く要請したので岩塚側もこれを受け入れた。
結果、宜蘭は超V字回復。
話はここからだ。宜蘭は技術もらってハイ終わりなんてことはしなかった。
台湾でもトップクラスの菓子メーカーとなった宜蘭は、中国本土への進出を図る。
その時、大恩人である岩塚に共同出資の話を持ってきた。
宜蘭の誠実な姿勢を評価していた岩塚は、積極的にこれを受け入れた。
宜蘭と岩塚が共同出資して中国本土進出のために作った企業は旺旺(ワンワン)という。
宜蘭の中国進出ノウハウと、岩塚の製菓技術をもった旺旺は、瞬く間に中国本土で急成長した。
今では旺旺グループとして中国本土で大きなシェアを握る巨大食品グループとなった。
旺旺が販売している菓子には今でも岩塚製菓の文字がある。
これだけの大成功を収めても、さすがは台湾人、恩は決して忘れない。
董事長は上海に旺旺本部ビルを新築した際、岩塚の槙社長と家族を招き、
居並ぶグループ幹部や取引先関係者に、岩塚が大恩人であることと、
30年前に技術供与を承諾してくれた当時の岩塚製菓社長、槙計作を「旺旺の父」として称えたのだった。
そして槙計作の銅像が除幕された。董事長は自分の銅像ではなく、
恩人である槙計作の銅像を本部に据えたのである。
そこには、槙計作や岩塚製菓との友情の歴史を記した銘板もある。
以上のことは旺旺グループHPにも、英語・中国語・日本語で記してある。
http://www.want-want.net/jp/culture/show.asp?id=499&classid=12
東洋経済が董事長へインタビューした記事があった。
(http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/76cda9710a0f7744a72cc5e8135c0656/)
(以下一部抜粋して引用)
岩塚製菓がなければ、今の旺旺はない。
もともと私たちの宜蘭食品は魚の缶詰などを作っていたが、赤字で悲惨な状態だった。
それが1983年に岩塚と提携して煎餅の生産を始めて以来、順調に利益を上げ続けている。
最初に岩塚を提携のお願いで訪ねたとき、私は24歳。岩塚の当時の社長(故・槇計作氏)は40歳年上だった。
正式に提携を断られたとき、私は日本に駆けつけ、社長にあらためて直談判した。
そのときは工場の中で話をしたが、社長は工場にある神棚に供えられたお酒を私に飲ませてくれた。
そしてこう言った。
「これは金儲けのお酒。あなたがそこまで言うなら提携しましょう。失敗したら、私は社長を辞めます」
その社長を、私たちは「旺旺の父」と呼んでいる。
彼からは「あなたとなぜ提携したのか、自分でもよくわからない。まさに縁としかいいようがない」
と言われたことがある。旺旺の経営理念「縁、自信、大団結」の縁は、彼の言葉から取ったものだ。
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私はこういう話しは大好き。
これから岩塚製菓のお煎餅を食べることにしよう。