国の宝 |
「国宝はなにか。
宝とは道を求める心である。
道を求める心を持つ人を,名づけて国宝という。
直径一寸の玉十個が国宝なのではなく,世の一隅を照らす人が国宝である」
ということばを知った。
これは、天台宗の開祖最澄が、時の嵯峨天皇に上奏した『山家学生式』(さんげがくしょうしき)の中で、
「古人言く、径寸十枚、これ国宝に非ず。一隅を照らす、これ即ち国宝なり、と」
と述べている文に由来し、天台宗の総本山比叡山延暦寺の各所に高く掲げられているものであるとのこと。
伝教大師とはこのようなお人であったのか、とあらためて敬意をもった。