ゴーレムの生命論 |
金森 修著、平凡社新書、2010年。
「BOOK」データベースでは、
かつてユダヤ教の世界で、魔術の修得の証とされた人造生命“ゴーレム”。その不遜で不敬な夢は、形を変えて現代科学のうちに継承され、現実のものとなりつつある。いま、命の在り方が根本から問い直される。二一世紀、倫理は新たな局面へ―生命創造の「実現」によりもたらされる未来とは?フランケンシュタインから自動人形、iPS細胞まで、人類による生命創造の倫理を問う。
と紹介してある。
著者を昔から存じ上げている。今年の某シンポジウムで彼の話を聴いた。ふだんは温厚、優しげに話されるが、シンポジウムでは舌鋒するどく論客ぶりを発揮していた。
「ゴーレムの生命論」はしばらく前に手にして読みはじめていたのだが、雑用におわれて、昨日再開。例によって精読は後回しにざっと一読。
私にとって興味深い話が述べられていた。
生命論、生命の哲学としてはあるべき議論のライン。
西欧思想に綿々と続く伝統を掘り起し、整然と整理されているのは、ありがたし。