信楽峻麿「親鸞とその思想」 |
私にとってのポイントは、第二節「阿弥陀仏は実体的存在か象徴的存在か」。
著者は「阿弥陀仏は象徴的存在である」と主張されている。
納得のゆく理解であり、すばらしい論説と感じ入った。
章全体は現代「歎異抄」という意味合いのもの。
現代の浄土真宗主流派に見られる「逸脱」をきびしく断罪されている。
私は「笠間稲田親鸞派」なので、京都の対立にとくに関心はないものの、勉強にはなった。
逸脱的思考の下では、浄土真宗は現代世界の要求にとても応えられないだろう、という著者の危機感はよくわかった。おっしゃる通りだろうと思う。