本当は生かされているんです |
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげるさんについては,他でほぼ同じ内容のことを読んでいたので私にとって新しさはあまりなかったが,2点が印象的だった。
ひとつは,水木さんがラバウルの司令官今村 仁大将と二度会っているということ。
水木さん曰く,
「たくさんいる中将はきらいだが,大将は一人だけでしょう。大将は大好きです」
水木さん一流の言い方だが,今村さんが好ましいお人だったことがよくわかる。
鬼太郎が大好きと言うなら立派な人にきまっている。
いまひとつは,インタビューを締めくくる水木さんの次の発言である。
「みんな自分で生きていると思っていますが,本当は生かされているんです。自分の意思ではないもの力によって,生かされている。少なく見積もっても,人生の一,二割はそうです。実感として,そう思います」
法然・親鸞をおもわす深い指摘だ。ご自身の体験に根差す点に値打ちがある。
(写真は出征前。父君と)