峠道ー鷹の見た風景 |
一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれ無く候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれ無く候
一、国家人民の為に立たる君にて君の為に立たる国家人民にはこれ無く候
現代の政治家に聞かせたい言葉だ。
時代小説において徹底したリアリスト、ハードボイルド派である上田氏、本書では比較的穏やかな筆使いで上杉鷹山の事績を描いている。鷹山についての歴史小説はこれまで数冊読んできたと思うが、私にとって本書がベスト。「奥右筆」どのが書いているのだ、はずれなはずがない、というところか。一読をおすすめできる。
追記
NHK歴史秘話ヒストリア「井伊直政」を見た。録画しておいたもの。「途中入社組」であったにかかわらず直政が「徳川四天王」の一人として扱われていることに不思議感をもっていたので、興味をもって見た。彼が(敗軍の島津家との交渉等)関ケ原の戦後処理を一手に任されたということをはじめて知った。家康が任せたのだ、それにふさわしい知勇、人格を直政はもっていたのだろう。それはそれで興味深くよかったのだが、これを書く気になった理由は別にある。番組の進行役は井上あさひアナだった。拝見するのは本当に久しぶり。非常にやわらか、かつにこやかな(微笑を含んだ)表情で番組をすすめていて驚いた。ニュース番組のときは、キリッとした表情で終始していたように記憶している。一段上のモードに入られたようだ。NHKのエースアナウンサーの品格十分。
追記
「上杉鹰山 - 二百年前の行政改革」
(https://www.youtube.com/watch?v=35ZJbL4lv1Y)
をみた。「1998年1月2日にNHK総合テレビにて放送された特別枠の時代劇。第38回日本テレビ技術賞受賞作品。原作は童門冬二」とのこと。よいドラマ。視聴をおすすめしたい。